ところどころ結び目のついた、2本に束ねられた縄。
輪っかの部分を首にかけられたとたん、私の心にスイッチが入った。
口が半開きになり、目がうつろになる。
垂れ下った縄の端が股間に通され、背中から2匹の蛇が回り込んでくる。
結び目の間を縫うようにくぐると、また背中へ戻っていく。
その繰り返し。
2匹の蛇がうしろで交差するたび、ぎゅっと体が締め上げられる。
思わず、熱い吐息が漏れた。
縄が織りなすいくつもの菱形が、徐々に私の全身を覆っていく。
ぴんと張りつめた肌が灯りを反射し、さらに淫靡な雰囲気を醸し出す。
深く息を吸い込むと、縄が遠慮なく私の肉に食い込んできた。
震える息をそっと吐き、私はひとり陶酔に浸った。
腕をうしろに捻じ曲げられ、手首をきつく縛られる。
これで、完全に自由が奪われてしまった。
もはや私は、目の前にいるご主人さまの思うがまま、されるがままの性奴隷。
その絶望感が、さらに私を陶酔の世界へ引きずり込んでいく。
手首から伸びた縄が二の腕の下を通り、平行に交差する縄をきゅっと締め上げる。
腕の感覚が徐々に麻痺し、みるみる紫色に変わっていった。
なんという無防備さ。
今の私には、人格すらない。
ご主人さまの性欲を満たすためだけに存在する、セックス・ドール。
首輪をつけられ、ベッドまで引っ張られていく。
上体をベッドにもたせかけると、無防備なおしりに浣腸器が挿し込まれた。
ひんやりした薬液が、私の体内に注がれる。
これは、苦痛を与えるための浣腸。
おしりに栓をされ、抜け落ちないよう細いひもで腰に固定される。
もがき、苦しむ私。
それを満足そうに眺めるご主人さま。
どんなひどい目に遭わされようが、私は懇願するしかできない。
支配するものと、される者。
私の訴えはあっさり退けられ、いつ果てるとも知れぬ苦痛に身をよじるばかり。
奉仕を求められた。
脂汗を垂らしながら、それに懸命に応える。
へただと言われ、ベッドに転がされると、おしりが真っ赤になるまで平手で打たれた。
内臓から湧き上がってくる苦痛と、おしりへの直接的な痛み。
呼吸も満足にできないほどの苦しみに、私はただ耐え続けるしかない。
その苦しみの中に、えもいえぬやすらぎがある。
支配されている者特有の、所有される歓びがそこにある。
ようやく排泄を許され、束の間の安堵を得る。
でもそれは、ほんのいっときのもの。
きれいになった直腸に、巨大なディルドが挿し込まれ、スイッチを入れられる。
快楽と苦痛の狭間で、私は奴隷の歓びを噛みしめた。
両脚を大きく開かれ、ロープでしっかり固定。
おっぱいから下腹部、太ももへ、熱いろうが垂らされる。
逃げる私。でも逃げられない。
やめて、お願い、なんでもしますから。
腕を固定していた縄を解かれ、ベッドに寝そべるご主人さまを口で奉仕。
少しでも気に入らないと、容赦なくビンタが飛んでくる。
ぱしん。
今の私は、おしりに挿し込まれたディルドと同じ。
快楽を与えるためだけに存在する、単なる道具のひとつに過ぎない。
最後に、ご褒美。
ディルドがそっと抜き取られ、ご主人さまのモノが私の中に深々と挿入される。
縛られたまま、狂ったようにピストンを繰り返され、思わず絶叫。
苦痛から快楽へ。
その落差が大きければ大きいほど、それは深みを増す。
したたる白濁を下腹部にぶちまけ、私は恍惚の表情を浮かべていた。
抜き取られた肛門から、ご主人さまの雫が溢れ出す。
まだ私の体には、縄が巻きつけられてる。
その縄を指先でなぞりながら、私は人形になれたことを心から悦ぶ。
肉体の持つ可能性。
それは、苦痛によって呼び覚まされることもある。
愛よりも深く、人の理性を超越したところで開花する悦楽の華。
そういうものが、たしかにある。